教育基本法を考える①
教育基本法の条文と今現在学校が抱える課題等とを比較しつつ、私なりの考えを5回(あくまで予定。変更する可能性あり)に分けて述べていきたいと思います。
教育は、人格の完成を目指し、平和で民主的な国家及び社会の形成者として必要な資質を備えた心身ともに健康な国民の育成を期して行われなければならない。
皆さんご存知の通り、上記は
教育基本法第1章 教育の目的及び理念
第1項 教育の目的をそのまま引用したものになります。
この条文から教育の目的は「人格の完成」であることが分かります。
ただ今現在、学校で行われている教育は「人格の完成」を目的とするに相応しいものとなっているのでしょうか。
このように私が考える理由として
- 受験・入試の為の学校
- 生徒指導のスタンダード化
の2点が挙げられます。
高校受験の為の中学校?
私が今、週1回のペースで授業見学をさせていただいている某公立中学校の廊下にこのようなはり紙がしてありました。
「高校の授業は中学校の授業のうえに成立している。54.1%が大学に進学する現代、学びはずっと続いていく!」
若干の齟齬はあるかと思いますが、大体このような文言でした。
何となく言いたいことは分かるのですが、この文言だけを見ると、中学校に通っているのは高校受験の為、ひいては大学受験の為、だと捉えられてしまいます。
受験の為に学ぶのであれば、わざわざ学校に行く意味はありませんし、塾や家庭で勉強すれば良いと思います。
学びがずっと続いてくことは確かなのですが、もっと他に例は無かったのでしょうか。
さらにこの張り紙の下には某予備校が発表している偏差値ごとの大学ランキングが、でかでかとはられていました。
受験の為の学校で果たして生徒の「人格の完成」を目的とする教育基本法の理念は達成されるのでしょうか。
受験の為の学校で「人格の完成」が果たされるのであれば、学校という仕組みそのものを塾や家庭に委託しても良いでしょう。
ゼロトレが果たす役割
生徒指導がゼロトレランスの導入等によりスタンダード化されています。
確かに生徒指導をスタンダード化することで、教員の負担がグッと減ることは間違いありませんし、教員が生徒を指導するうえで困難だと感じていることもゼロトレの導入により万事解決されるでしょう。
しかし、ゼロトレを導入し生徒指導をスタンダード化させることは生徒の為になると言えるのでしょうか。
生徒の「人格の完成」を図る為には生徒指導する際に各生徒に合わせた対応が必要とされることは言うまでもありません。
「人格の完成 」の為の学校にしていくためには
私が「人格の完成」と今現在、学校で行われている教育とが乖離していると考える理由を2点挙げました。
理由を挙げるだけであれば誰にでも出来るので、ここでは更に一歩踏み込んでどのようにすれば「人格の完成」が果たされるのか、私なりの考えを述べると、、、
生徒が学校に来ていることを当たり前だと思わない!!
一見当たり前のことのように思われるかもしれませんが、上記のことを常に念頭に置くことが出来ていれば、受験・入試の為の学校にすることもゼロトレを始めとする生徒指導のスタンダード化も自ずから無くなっていくのではないでしょうか。
青野