豊かな人間性と創造性?
「教育基本法を考える」シリーズを終えたところで
今回は
豊かな人間性と創造性?
というタイトルで論を進めていきたいと思います。
我々は、この理想を実現するため、個人の尊厳を重んじ、真理と正義を希求し、公共の精神を尊び、豊かな人間性の創造性を備えた人間の育成を期するとともに、伝統を継承し、新しい文化の創造を目指す教育を推進する。
「教育基本法を考える」シリーズでは教育基本法の条文から様々なことを考えてきましたが
今回は上記に挙げた教育基本法の前文から考えていきます。
豊かな人間性と創造性
教育基本法の前文に
「豊かな人間性と創造性を備えた人間の育成を期するとともに」
という文言があります。
生徒に豊かな人間性と創造性を備えさせる為には
教員側が豊かな人間性と創造性を備えておく必要があることは言うまでもないでしょう。
2つのアプローチ
教員側が豊かな人間性と創造性を備えておく必要がある!
と述べましたが具体的にどのようにすれば教員に豊かな人間性と創造性とを備えさせることが出来るのでしょう?
この問いに対する答えは
大きく分けて2つのアプローチが考えられると考えます。
- 教職課程
- 教員採用試験
どちらにしても教員になる前段階で
豊かな人間性と創造性とを備えておく必要があると考えます。
教員になってから
豊かな人間性と創造性を備えられれば良いのですが「教育基本法を考える⑤」でも述べた通り、実際の学校現場で働いている教員は多忙を極めており
とても豊かな人間性と創造性とを備えるに相応しい時間を取ることが出来ない、というのが現状です。
制度との齟齬
先に述べたような現状より
- 教職課程
- 教員採用試験
の2つのアプローチから教員の豊かな人間性と創造性とを備えさせるに相応しい課程・試験にする必要があります。
ただ実際のところ
教職課程で豊かな人間性と創造性とを備えさせるような授業はありませんし
教員採用試験に於いても覚えたことをアウトプットすれば一次試験は突破できる、という状況になっています。
このような状況で豊かな人間性と創造性を生徒に備えさせるに相応しい教員となるには
現在の教職を志す学生を取り巻く制度のままではかなり困難と言えるでしょう。
ではどうすれば良いのか?
先に述べたような状況を踏まえると
- 制度の問題だからどうしようもないのでは?
という意見が出てくることが予想されます。
確かに制度の問題なので
一個人でどうにかするのはかなり困難になるでしょう。
ただ
豊かな人間性と創造性を備えるに相応しい教職課程と教員採用試験になっていない、ということを自覚するだけでも
かなり変わってくるのではないでしょうか。
青野