『走れメロス』を覚えていますか?①
こんにちは。
今までの僕のブログを毎回
読んでいただいている方にとって
色んなことを発信しているこいつは
大学で何を勉強してるんだ?
という疑問を抱かれた方は
少なからずいらっしゃることと思います。
僕は今
都留文科大学という大学の
文学部国文学科に所属しており
『源氏物語』や近代文学を読んだり...
と
正直子どもの貧困や不登校支援とは
全く異なった勉強を大学ではしています。
加えて僕は国語教育学ゼミに所属しているということあり
今回は国語教育学ゼミ生らしいことを書いていこうと思います。
『走れメロス』を覚えていますか?
タイトルにもある通り
皆さんは『走れメロス』という作品を覚えているでしょうか?
『走れメロス』は皆さんご存知の通り
太宰治の短編小説で
中学校国語教科書界のシェア率が
90%を超える4社(光村図書、教育出版、東京書籍、三省堂)全てで
採択されており
主に中学2年生で
学習する内容となっています。
恐らく
メロスは激怒した。必ず、かの邪智暴虐の王を除かなければならぬと決意した。
という独特な冒頭でピンと来た方も多いことと思います。
皆さん既にご存知とは思いますが
ここで『走れメロス』のあらすじを軽くおさらいしておくと
純朴な羊飼いの青年メロスは、妹の結婚式の為に訪れた町の様子がひどく暗く落ち込んでいることを不審に思い、市民に何が起きているのかを問う。
そして、その理由として極度の人間不信から多くの人を処刑している暴君ディオニス王の話を聞き、激怒する。
メロスは王の暗殺を決意して王城に侵入するが、あえなく衛兵に捕らえられ、王のもとに引き出されることとなる。
当然処刑される事になるのだが、メロスは親友のセリヌンティウスを人質として王のもとにとどめおくのを条件に、妹の結婚式をとり行なうため3日後の日没までの猶予を王に願う。
メロスは急いで村に帰り、誰にも真実を言わず妹の結婚式を急ぎ、式を無事に終えると3日目の朝をまだき、王宮に向けて走り出す。
難なく夕刻までに到着するつもりだったのだが、度重なる不運に出遭ってしまう。
メロスは全力で、度重なる不運にもめげることなく体力の限界まで達するほどに走り続け、日没直前、今まさにセリヌンティウスが磔にされようとするところに到着し、約束を果たす。
セリヌンティウスに、ただ1度だけ裏切ろうとした事を告げて詫び、セリヌンティウスも1度だけメロスを疑った事を告げて詫びた。
そして、彼らの真の友情を見た王は改心した。
という感じになります。
『走れメロス』から学んだこと
皆さんはこの『走れメロス』から
どのようなことを学びましたか?
ちなみに僕は
「正義、友情は権力にも勝るのだ!」
という一種のヒロイズムを
『走れメロス』から学んだ記憶があります。
皆さんがどのようなことを
『走れメロス』から学んだのか
知る由もありませんが
多少の差異はあれど
おおかた先に述べたようなことを
学んだのではないでしょうか。
確かに
『走れメロス』という作品から
「正義、友情は権力にも勝るのだ!」
という学びを得ることも
もちろん大切かもしれませんが
果たしてそれだけで良いのでしょうか。
それだけを学ぶのであれば
国語の授業で『走れメロス』を
取り上げる必要はないと僕は思います。
では
「正義、友情は権力にも勝るのだ!」
という以外のことを
『走れメロス』から国語的なことを学ぶ為の
僕なりの考えに関する
糸口となり得る部分を最後に示して
『走れメロス』を覚えていますか?②
に繋げていきたいと思います。
正義だの、信実だの、愛だの、考えてみれば、くだらない。人を殺して自分が生きる。それが人間世界の定法ではなかったか。ああ、何もかも、ばかばかしい。私は、醜い裏切り者だ。どうとも、勝手にするがよい。
次回以降も
引き続き宜しくお願い致します。